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1 生前の預貯金の使い込み問題

被相続人の死亡後、遺産である預貯金の残高が思いのほか少なかったことをきっかけに、

預貯金の通帳や取引履歴を取得・確認したところ、

被相続人の生前に預貯金から多額のお金が引き出されていた

ということで相談にいらっしゃる方が増えています

 

「生前の預貯金の使い込み」「使途不明金」などと呼ばれる問題(以下、「預貯金の使い込み問題」といいます。)です。

 

預貯金の使い込み問題は、特に、被相続人が次のような状況にあった場合に多くみられます。

・相続人の一人と同居していた。

・認知症であった。

・施設・病院に入所・入居していた。

 

2 生前の預貯金の使い込み問題への対処方法

(1) 証拠収集の重要性

生前の預貯金の使い込みがあった場合、

出金した人物に対して、その返還あるいは損害の賠償を請求することができます。

 

しかしながら、裁判において生前の預貯金の使い込みがあったと認定してもらうためには、

以下の4点を、基本的には生前の預貯金の使い込みがあったと主張する側

=返還あるいは損害の賠償を請求する側)が証明する必要があります。

 <要件>

 

①生前に被相続人の預貯金が出金されていること

②出金が被相続人以外の者によってなされたこと

③出金が被相続人の意思に基づくものではないこと

④出金されたお金が被相続人のために使われていないこと

 

そのため、上記の①から④を立証するための証拠集めが極めて重要になります。

 

もちろん、通常は、いきなり裁判をするのではなく、

使い込みをした(と疑われる)相続人と交渉するところから開始することになりますが、

交渉の場合でも、証拠がなければ、とぼけられて終わりとなる可能性が極めて高く、

このような事態を避けるためにも、やはり事前の証拠集めが極めて重要になります。

 

(2) 収集しておくべき代表的な証拠

預貯金の取引履歴

預貯金の使い込み問題の追及のためには、大前提として、

要件①(=生前に被相続人の預貯金が出金されていること)を証明する必要があります。

預貯金の取引履歴を見れば、出金の履歴が一目瞭然ですので、

まずは、預貯金の取引履歴を取得しましょう

 

もちろん、通帳でも出金の履歴は確認できますが、

過去の通帳が処分され、あるいは、紛失しているなどで、

必要な期間分が揃わない場合も多いですし、

そもそも、通帳を開示してくれず確認できないという場合も往々にしてあります。

 

また、取引履歴には、出金された支店や出金日時など、

通帳には記載されていない情報が記載されている場合があり、

さらには、一覧性もあることから、取引履歴の取得をお勧めします。

 

預貯金の取引履歴は、相続人であれば、お一人でも請求可能ですので、

被相続人が取引をしていた金融機関に対して請求すれば入手することができます。

必要書類は金融機関ごとに異なるため、事前に確認してください。

 

預貯金の取引履歴は最大で過去10年分を請求できますが、

最近は、金融機関へ支払う発行手数料が高くなってきているため、

どの程度の期間分を請求するかは、予算との兼ね合いで決めていくことになります。

発行手数料は金融機関ごとに異なるため、事前に確認してください。

 

事前確認の結果、予算の範囲内であれば、過去10年分を請求するのがベストですが、

予算を超過するという場合でも、最低限、使い込みが疑われる相続人が

被相続人の預貯金の管理を開始したと思われる時期の

1年前から現在までの取引履歴は取得しておくべきでしょう。

 

使い込みが疑われる相続人が

被相続人の預貯金の管理を開始したと思われる時期の1年前からの分も取得するのは

被相続人が自分で管理していた期間の出金パターンと、

使い込みが疑われる相続人が管理していた期間の出金パターンを比較するためです。

 

比較の結果、明らかな違いが認められれば、

使い込みが疑われる相続人が管理していた期間の出金は被相続人が行ったものではないと主張しやすくなります。

 

窓口での出金の際に金融機関に提出している書類(「払戻請求書」「出金伝票」など)

 

預貯金の使い込み問題の追及のためには、

要件②(=出金が被相続人以外の者によってなされたこと)も満たす必要があります。

そのために有用な証拠が、窓口での出金の際に金融機関に提出している書類(「払戻請求書」「出金伝票」など)になります。

 

その筆跡を確認することで、少なくとも被相続人が出金したか否かを判断することができます。

これらの書類についても、基本的には、過去10年までの分であれば、

金融機関に対して請求すれば入手可能ですが、

窓口で見るだけ、

相続人からの開示請求には応じないが弁護士のみが利用できる弁護士会を経由した照会(23条照会と呼ばれています。)であれば開示に応じる、

裁判所からの照会(文書送付嘱託)がなければ応じたい、という金融機関もあります。

ですので、必要書類とともに、事前に金融機関へ確認してください。

 

介護認定記録

介護認定記録は、市区町村が介護認定の際に利用する記録で、

「認定調査票」と「主治医意見書」からなります。

 

介護認定記録には、被相続人の身体能力・精神能力の状態、金銭の管理状況など、

要件②(=出金が被相続人以外の者によってなされたこと)や

要件③(=出金が被相続人の意思に基づくものではないこと)の立証につながる情報が含まれています

介護認定記録の開示請求先は、

介護認定を受けていた市区町村ですが、開示に応じてくれるか、

過去何年分まで開示してくれるのか、などは市区町村によって異なるため、

必要書類とともに事前に確認してください。

 

相続人からの開示請求には応じないが、

弁護士のみが利用できる弁護士会を経由した照会(23条照会と呼ばれています。)であれば開示に応じる

という市区町村もあれば、裁判所からの照会(文書送付嘱託)がなければ応じたいという市区町村もあります。

 

介護記録

介護記録は、介護施設や介護サービス事業者が作成している書類で、

職員が日々感じたことや被相続人との会話などが記載されており、

要件②(=出金が被相続人以外の者によってなされたこと)や

要件③(=出金が被相続人の意思に基づくものではないこと)の立証につながる情報が含まれています

 

介護記録の開示請求先は、被相続人が入居していた介護施設や利用していた介護サービス事業者になります。

必要書類は事業者ごとに異なるため、事前に確認してください。

 

医療記録

医療記録は医師が作成するカルテや看護師が作成する看護日誌などからなりますが、

カルテには病状や認知症の検査結果などが、看護日誌には被相続人の様子や会話の内容などが記載されており、

要件②(=出金が被相続人以外の者によってなされたこと)や

要件③(=出金が被相続人の意思に基づくものではないこと)の立証につながる情報が含まれています。

 

医療記録の開示請求先は、被相続人が入院ないし受診していた医療機関になります。

必要書類は医療機関ごとに異なるため、事前に確認してください。

 

(3) 収集した証拠の分析

収集した証拠に基づき、入出金の一覧表を作成し、

どの程度の出金超過となっているのか、

入出金がなされた当時の被相続人の月々の必要経費、

居住状況(自宅or施設・病院)、

身体状況(例:一人で金融機関まで出向ける状態にあったか)、

判断能力の状況(例:認知症の有無・程度)などを分析し、

預貯金の使い込みがあったと言えそうかを判断します。

 

出金のみに着目し、「何千万円も出金されているんです!」と相談に来られる方も多くいらっしゃいますが、

出金があっても、被相続人名義の別の口座へ入金・送金されていたり、

定期預金から普通預金、普通預金から定期預金への振替等がなされているのであれば、

預貯金の使い込みとは評価できないため、入金の履歴を確認・検討することも忘れないようにしましょう。

 

(4) 生前の預貯金の使い込み問題を解決するまでの流れ

交渉

収集した証拠を分析した結果、

相続人の一人による預貯金の使い込みがあったと言えそうだと判断できれば、

当該相続人に対して出金への関与の有無、使途の説明を求めていきます。

 

ただ、実際には、無視する、出金への関与自体を否定する、

出金したお金の管理を否定する、不合理な使途の説明に終始する、といった対応を取られることが多く、

そのため、生前の使い込み問題を本人同士の交渉で解決できるのは、極めて稀なケースと言えます。

 

調停

 

本人同士の交渉で解決できない場合、次のステップとして調停、

具体的には、遺産分割調停の中で解決を図ることが考えられます。

 

しかしながら、私見にはなりますが、生前の使い込みの問題について交渉で解決できない場合、

調停を経ることなく訴訟提起をするのが、多くの場合、最も合理的な進め方です。

 

調停はあくまでも双方が譲り合って合意形成を目指す場であり、

訴訟や審判のように裁判所が判断を示す場ではないところ、

生前の使い込み問題は感情的な対立も激しいため、

双方が譲り合って合意するというのが極めて困難であるためです。

 

また、生前の使い込みの問題は、当事者の合意がない限り、

遺産分割審判の対象にはならないため、

生前の使い込みの問題は最終的には訴訟で解決する必要があるためです。

 

なお、生前の使い込みに関する訴訟と、

現存する遺産に関する遺産分割調停あるいは審判の手続きを同時並行的に進めることは可能

(但し、前者は地方裁判所、後者は家庭裁判所での手続きとなり、

全く別の事件として処理されることになります。)

ですが、こちらもお薦めできません

 

生前の預貯金の出金に関する使途について、使い込んだ側の言い分の代表例として、

被相続人から生前贈与を受けたとの主張があります。

これが事実であれば、生前の使い込みには該当しませんが、

特別受益として遺産分割手続の中で考慮

(原則、特別受益を受けた者は、その分だけ遺産から取得できる取得分が少なくなる。)

すべきことになります

 

ところが、生前の使い込みに関する訴訟と

現存する遺産に関する遺産分割調停あるいは審判の手続きを

同時並行的に進め、遺産分割手続の方が先に終了すると、

それまで生前の使い込みに関する訴訟でのらりくらりとした対応しかしていなかった相続人が、

使途として生前贈与を主張しはじめ、これが認められた場合、

生前の使い込みとも認められず、さりとて、すでに遺産分割手続は終了しているため、

特別受益としても考慮されないという事態となり、正に踏んだり蹴ったりの状態となるためです。

 

そのため、生前の預貯金の使い込み問題がある一方で

、現存する遺産もあり遺産分割手続も必要という事案では、

生前の預貯金の使い込み問題に関する訴訟を先行させ、

その解決を待って、遺産分割手続を進めるのが得策でしょう。

 

訴訟

 

不当利得返還請求権あるいは不法行為に基づく損害賠償請求権に基づき、

出金した人物に対して、その返還あるいは損害の賠償を請求する訴訟を提起します。

 

当該請求が認められるためには、

以下の4点を、基本的には生前の預貯金の使い込みがあったと主張する側

(=返還あるいは損害の賠償を請求する側)が証明する必要があります。

 

①生前に被相続人の預貯金が出金されていること

②出金が被相続人以外の者によってなされたこと

③出金が被相続人の意思に基づくものではないこと

④出金されたお金が被相続人のために使われていないこと

 

3 生前の預貯金の使い込み問題の処理を弁護士へ依頼するメリット

(1) スムーズな証拠収集と的確な分析

生前の預貯金の使い込み問題を処理するうえで最も重要なポイントの一つは、

証拠収集とその分析にあります。

上記のように、代表的なものだけでも、収集すべき証拠・請求先は多岐にわたり、

また、ご本人では収集できない場合もあります。

 

また、収集した証拠のどこにどのような情報が記載されており、

その情報をどのように活用するのか、

入出金の履歴とどのように結び付けて生前の使い込みがなされたとの評価につなげるのかなど、

その分析にも高度なノウハウが必要になるというのが実際のところです。

 

生前の預貯金の使い込み問題に精通した弁護士であれば、一般の方では困難な、

スムーズかつ的確な証拠収集とその分析を行うことが可能です。

 

(2) 直接交渉による心理的負担から解放

収集した証拠を分析した結果、

相続人の一人による預貯金の使い込みがあったと言えそうだと判断できれば、

出金への関与の有無、使途の説明を求めていくことになりますが、

生前の預貯金の使い込み問題は、相続人の一人に対して不正行為の疑いをかけることに他ならないため、

相手方の反発は強く、感情的な対立も激しくなるのが通常です。

 

このような状況下で相手方と直接交渉を行うことは、

通常の遺産分割交渉とは比較にならないほどの、

多大な心理的負担を伴うことになります。

 

この点、弁護士へ依頼すれば、相手方と直接交渉する必要がなくなるため、

直接交渉による心理的な負担から解放されます。

 

(3) 交渉で解決できる可能性がアップ

生前の預貯金の使い込み問題について本人同士で交渉しようとしても、

実際には、無視する、出金への関与自体を否定する、出金したお金の管理を否定する、

不合理な使途の説明に終始する、といった対応を取られることが多いのが実情です。

 

これに対し、弁護士から交渉申入れを行えば、本気度が伝わり、無視という対応はほぼなくなります

また、弁護士は、事前に的確な証拠収集とその分析を行った上で交渉に臨むため、

相手方の説明の合理性を即座に判断し、可能な範囲で的確な反論と証拠を突き付け、

相手方を徐々に追い詰めていくことができます。

 

さらに言えば、こちらが弁護士を付ければ、相手方も弁護士を付ける可能性が高くなります

相手方に弁護士が付けば、必要な情報提供がなされるとともに、

こちらからの的確な反論が受け入れられたり、

一見して不合理な説明がなされなくなる、といった効果も期待できます。

その結果、ご本人が行う場合に比べ、交渉で解決できる可能性がアップします。

 

(4) ベストな訴訟対応が可能

生前の預金の使い込み問題に関する訴訟は、

特に高度なノウハウが必要であるため、

訴訟となれば弁護士への依頼が必須であり、この点に異論はないかと思います。

 

では、訴訟から弁護士へ依頼すれば大丈夫か、というと決してそうではありません

 

生前の預金の使い込み問題については、相手方との交渉前における証収集の段階から依頼するのがベストです。

 

訴訟で勝訴するためには的確な証拠収集が必要不可欠ですが、

訴訟を提起した時点では、請求先の保管期間等の関係で証拠が廃棄されており、

もはや収集できないということもあります。

 

また、結果的に決裂したとしても、交渉段階で相手方から出てきた情報が

訴訟上有用という場合もあるため、本来は、交渉の際にも、

将来の訴訟を見据えた対応

(相手方へ求める情報の内容、相手方から出てきた情報の証拠化など)

を行う必要があります。

 

生前の預金の使い込み問題に精通した弁護士であれば、

将来の訴訟を見据え、的確な証拠収集と交渉への対応を行うことができ、

現実に訴訟となった場合にも、ベストな訴訟対応を行うことが可能になります。

 

4 当事務所のサービス

交渉、訴訟への対応はもちろんですが、

生前の預貯金の使い込み問題を処理するうえで最も重要なポイントの一つは、

証拠収集とその分析にあるため、当事務所では、

「交渉対応サービス」「訴訟対応サービス」に加え、

「生前の預貯金の使い込み・使途不明金の調査・分析サービス」も行っています。

 

弁護士が、取引口座の存否の調査、金融機関からの取引履歴の取得、

取得した取引履歴に基づく入出金一覧表の作成、

不審な出金にかかる伝票類の取得、介護認定、医療及び介護記録の取得など、

生前の預貯金の使い込み金の有無・金額を把握するために必要な証拠の収集・分析

と訴訟となった場合の見通しをお伝えいたします。

 

相続人の一人が預金の使い込みをしている疑いがある場合は

当事務所へご相談ください。相続問題に詳しい弁護士があなたに最適な解決策をご提案させていただきます。

 

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