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遺書と遺言書の違いを弁護士が徹底解説!

目次

遺書と遺言書の違いを弁護士が徹底解説!
「遺書」と「遺言書」。どちらも亡くなった方が生前に自身の想いや財産について書き残すもの、という漠然としたイメージをお持ちかもしれません。しかし、これら二つの書面は全くの別物であり、その違いを知っているかどうかが極めて重要になります。

本記事では、相続に強い弁護士が、「遺書」と「遺言書」の違いを明確にし、それぞれの法的効力、後悔しない相続を実現するための遺言書作成の重要性とその作成方法を徹底的に解説します。
 

1. 遺書とは?故人の「想い」を伝える個人的なメッセージ

遺書とは、故人が、特定の誰か(家族、友人、知人など)に向けて、個人的なメッセージや想いを書き残した書面を指します。例えば、感謝の気持ち、謝罪の言葉、希望(「私の蔵書はAに譲ってほしい」といった希望など)、あるいは思い出話などが綴られているもので、方式や作成方法に制限はありません。

そして、遺書に法的な効力は原則としてありません。 これが、遺言書との根本的な違いです。遺言書の要件を満たすものでない限り、遺書は、故人の心情や個人的な感情を伝えるためのものにすぎず、法律上の権利義務を発生させたり、財産の帰属を法的に決定したりする力はありません。たとえ遺書に「私の全財産をAに譲る」と書かれていても、それだけでAが法的に財産を取得できるわけではないのです。

遺書は、残された方々が故人の最後のメッセージを受け取ることで、心の整理をつけたり、故人を偲んだりする精神的な役割が強いと言えます。ご家族が遺書を読んで、故人の温かい気持ちや感謝の言葉に触れ、悲しみを乗り越えるきっかけになることもあります。

しかし、その内容が財産の分配や相続分の指定といった法的な権利に関わるものであったとしても、遺言書の要件を満たさない単なる遺書では法的効力を持たないため、注意が必要です。
 

2. 遺言書とは?「法的な効力」を持つ唯一の書面

次に、「遺言書」について解説します。

遺言書とは、民法で定められた厳格な方式に従って作成され、遺言者の死亡と同時にその効力が発生する、法的な効力を持つ書面です。

「法的な効力を持つ」というのは、遺言書に書かれた内容については、強制力をもって法的に実現させることが可能である、ということです。例えば、遺言書に「私の自宅不動産は妻に、預貯金は長男に相続させる」と書かれていれば、原則としてその通りに財産がそれぞれの相続人に承継させることができます。

遺言書の主な目的は、遺言者の最終意思を法的に実現し、相続人間の争いを未然に防ぎ、円滑な相続手続きを可能にすることにあります。

2.1. 遺言書の種類とそれぞれの特徴

遺言書は、その作成方式によって主に以下の2種類に大別されます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況や目的に合わせて最適な方式を選択することが重要です。
 

2-1-1自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん/民法968条)

概要: 遺言者自身が、その全文、日付、氏名を自書し、押印することで作成する遺言書です。留意すべき点(法務省:https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00240.html)はあるものの、財産目録については、パソコンで作成したり、通帳のコピーを添付したりすることも可能になり(平成31年1月13日施行)、以前より手軽になりました。
 
メリット:
手軽に作成できる: 費用がかからず、いつでもどこでも作成できます。ご自身の好きなタイミングで内容を変更することも比較的容易です。
秘密を保てる: 誰にも内容を知られずに作成・保管できます。
 
デメリット:
形式不備のリスクが非常に高い: 民法(968条)で定められた厳格な方式(全文自書、日付、氏名、押印など)に一つでも不備があると、その遺言書は無効になってしまいます。当事務所へのご相談でも、残念ながら不備のために無効と判断せざるを得ない自筆証書遺言が非常に多く見受けられます。
紛失・隠匿・偽造のリスク: 遺言書がどこに保管されているか分からなくなったり、悪意のある人に隠されたり、内容を改ざんされたりするリスクがあります。
検認手続きの必要性: 遺言者の死亡後、家庭裁判所での「検認(けんにん)」という手続きが必要です(民法1004条)。これは、遺言書の存在や内容を相続人全員に知らせ、遺言書の状態を確認するための手続きであり、時間と手間がかかります。検認を経ずに遺言書を執行すると、過料に処される可能性があります(民法1005条)。
 
【新制度】自筆証書遺言書保管制度:
2020年7月10日から始まった、法務局で自筆証書遺言書を保管してもらえる制度です。この制度を利用すると、紛失や隠匿、偽造のリスクがなくなるだけでなく、家庭裁判所での検認手続きが不要になるという大きなメリットがあります。ただし、法務局は遺言書の形式不備をチェックするのみで、内容の有効性までは確認してくれない点には注意が必要です。
 

2-1-2. 公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん/民法969条)

概要: 公証役場で、法律の専門家である公証人が遺言者の口述に基づいて作成する遺言書です。証人2人以上の立ち会いが必要ですが、有料(証人1人あたり1万円弱)ではあるものの、公証役場へ依頼すれば、証人を手配してもらうことも可能です。
 
メリット:
最も確実性が高い: 法律の専門家である公証人が作成するため、方式の不備で無効になる心配がほとんどありません。
紛失・偽造のリスクがない: 遺言書の原本は公証役場で厳重に保管されるため、紛失や偽造の心配がありません。遺言者の控えや謄本が失われても、再発行が可能です。
検認手続きが不要: 家庭裁判所での検認手続きが不要なため、相続開始後、すぐに遺言書の内容を実現できます。
意思能力の確認: 公証人が遺言者の意思能力を確認しながら作成するため、遺言能力を巡る争いを防ぎやすいです。病気や高齢で判断能力に不安がある場合でも、公証人の判断があれば有効性が高まります。
 
デメリット:
費用がかかる: 公証人の手数料や証人の費用がかかります。費用は遺産総額や相続人の数によって変動します。
作成に手間がかかる: 公証役場への予約や、必要書類(戸籍謄本、住民票、不動産の登記事項証明書など)の準備、公証人との事前打ち合わせなどが必要です。
※この他、特別な方式による遺言(危急時遺言、隔絶地遺言など)もありますが、一般的には自筆証書遺言と公正証書遺言が用いられます。

2.2. 遺言書で実現できること(遺言事項)

遺言書は、単に財産を誰にどれだけ残すかを定めるだけでなく、民法で定められた様々な事項について、遺言者の意思を法的に実現することができます。主な内容としては以下のようなものがあり、遺言に記載することで法的効力が生じるこれらの事項を「遺言事項」といいます。

2-2-1. 財産に関する事項:

相続分の指定・変更: 法定相続分とは異なる割合で、特定の相続人に多くの財産を相続させるなど、財産の分配割合を自由に指定できます(民法902条)。
遺産分割方法の指定: 特定の財産(例:「自宅不動産は長男に」「〇〇銀行の預貯金は妻に」)を誰に取得させるか具体的に指定できます(民法908条1項)。
遺贈(いぞう): 法定相続人ではない人(例:内縁の妻、お世話になった知人、特定の法人や団体など)に財産を贈与することができます(民法964条)。
負担付遺贈: 財産を受け取る人(受遺者)に、特定の義務(例:「ペットの世話をする」「特定の人物を介護する」)を負わせることを条件に財産を遺贈できます。
 

2-2-2 身分に関する事項:

子の認知: 認知をしていない子がいる場合、遺言書で認知することができます(民法781条2項)。
相続人の廃除(はいじょ): 特定の相続人が遺言者に対して著しい非行(虐待、重大な侮辱など)があった場合などに、その相続人から相続権を剥奪できます(民法893条/家庭裁判所の審判が必要です)。
 

2-2-3 遺言の執行に関する事項:

遺言執行者の指定: 遺言書の内容を実現するための手続き(財産の名義変更、預貯金の解約、遺贈の実行など)を行う人(遺言執行者)を指定できます(民法1006条1項)。遺言執行者を指定することで、相続手続きがスムーズに進み、相続人間の負担や争いを軽減できます。弁護士を指定することも可能です。
 

2-2-4 その他:

祭祀承継者の指定: 先祖代々のお墓や仏壇、位牌などを管理する人(祭祀承継者)を指定できます(民法897条1項但書き)。

付言事項(ふげんじこう): 法的な効力はありませんが、遺言書に付随して、ご家族への感謝のメッセージ、遺言書を作成した経緯、相続人への願いなどを書き残すことができます。これは遺書のような役割を果たし、遺されたご家族の心の負担を軽減し、円満な相続を促すことにも繋がります。
 

3. 遺書と遺言書の決定的な違いは「法的効力」と「作成方式」

ここまで解説してきた通り、遺書と遺言書は似て非なるものです。その決定的な違いは、「法的な効力の有無」と、それに伴う「作成方式の厳格さ」に尽きます。

 

4. 後悔しない相続のために!遺言書作成の重要性とそのケーススタディ

「うちは家族仲が良いから、遺言書なんて必要ないだろう。」
「財産はそんなにないから、遺言書は関係ない。」

このように考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、たとえ仲の良いご家族でも、相続が「争続」になってしまうケースは少なくありません。
また、財産が少ないと思っても、当職の経験上、相続人間で紛争となっている事案は多々あります。家庭裁判所に対して申立てがなされた遺産分割の調停・審判の約4分の3は、遺産総額が5000万円以下というのが実態です。
遺言書がない場合に起こりうる具体的なデメリットと、遺言書を作成するメリットを、より具体的に見ていきましょう。

4.1. 遺言書がない場合に起こりうるデメリット

4-1-1 遺産分割協議の難航と「争続」の勃発

遺言書がない場合、原則として相続人全員で遺産の分け方を話し合う「遺産分割協議」が必要です。相続人全員の合意がなければ遺産分割はできません。
ケーススタディ: 故人が生前「長男には事業を継がせるから、家業の不動産は長男に」と口頭で言っていたとしても、遺言書がなければ他の相続人(次男や長女など)が「私たちも法定相続分がある」と主張し、協議がまとまらないことがあります。
結果: 感情的な対立に発展し、家庭裁判所での調停や審判に移行することも珍しくなく、解決までに数年かかることもあります。その間、相続財産は凍結され、誰も利用できない状態になることもあります。
 

4-1-2 故人の意思が反映されない可能性

遺言書がないと、故人が「この財産は〇〇に譲りたい」と生前口頭で伝えていたとしても、法的な効力がないため、その通りに実現されない可能性があります。
 

4-1-3 相続手続きの長期化・複雑化

遺産分割協議が難航すると、預貯金の解約や不動産の名義変更といった相続手続きが滞り、遺されたご家族に多大な時間的・精神的負担がかかります。
 

4-1-4 相続人以外に財産を遺せない

内縁の配偶者や、献身的に介護をしてくれた親族ではない方、お世話になった慈善団体などに財産を遺したい場合、遺言書がなければ法的に不可能となります。これらの人々は「法定相続人」ではないため、遺言書がなければ原則として財産を受け取ることができません。
ケーススタディ: 長年連れ添った内縁の妻がいたとしても、法的に婚姻関係になければ彼女は相続人にはなりません。遺言書がない場合、彼女は夫の財産を一切受け取ることができないのです。

4.2. 遺言書を作成するメリット

遺言書を作成することで、これらのリスクを回避し、多くのメリットを享受することができます。

4-2-1 故人の遺志を法的に実現できる

「誰にどの財産をどれだけ相続させるか」を明確に指定でき、法的にその通りに実現できます。
 

4-2-2 相続争いを未然に防ぎ、円満な相続に繋がる

遺言書があれば、遺産分割協議が不要になるか、あるいはその範囲を限定できるため、相続人間の争いを大幅に減らせます。故人の明確な意思表示があることで、相続人も納得しやすくなります。
 

4-2-3相続手続きがスムーズに進む

遺言書があれば、遺産分割協議を経ずに財産の名義変更などの手続きを進められるため、相続人の方々の手間と時間を大幅に削減できます。
 

4-2-4 遺された家族の負担を軽減できる

争いや手続きの負担が減ることで、ご家族は故人を偲ぶ時間を十分に持つことができます。
 

4-2-5特定の人に財産を確実に残せる

ご自身の「感謝の気持ち」や「特定の財産を残したい」という強い想いを、法的に実現できます。

4.3. 遺言書作成を特に検討すべきケース

以下のような方は、特に遺言書作成を真剣に検討することをおすすめします。
 
・内縁の配偶者や、献身的に介護してくれた親族ではない方、友人、特定の団体など、法定相続人以外の人に財産を遺したい方
・特定の相続人(例えば、家業を継ぐ長男など)に特定の財産を多く残したい方、または法定相続分とは異なる割合で遺産を分けたい方
・相続人の間で過去に争いがあったり、現状関係が複雑だったりする方
・お子様がいないご夫婦: 配偶者と自身の兄弟姉妹が相続人になるため、円満な協議が期待できず、遺産分割が複雑化したり、トラブルになりやすい傾向があります。
・複数の不動産を所有している方
・個人事業主や会社経営者で、事業承継を考えている方
・相続人がいない方: 遺言書を作成しないと、最終的に財産が国庫に帰属してしまう可能性があります。
・大切なペットのために財産を残したい方: 遺言で、特定の人に財産を遺贈し、その財産でペットの世話をしてもらうよう依頼する「負担付遺贈」などの方法があります。
・再婚しており、前婚の子どもと現婚の配偶者の間で相続が複雑になる可能性がある方
・障がいを持つお子様がいる方で、将来の生活に配慮したい方
 

5. 遺言書作成は相続専門の弁護士にご相談を!

遺言書を作成する重要性はご理解いただけたでしょうか。しかし、「実際に遺言書を作成しよう」と思っても、多くの疑問や不安が生じるかもしれません。
 
「本当にこれで有効な遺言書になるのだろうか?」
「法的に問題のない文面になっているか不安だ」
「どのような内容を盛り込めば、家族間の争いを防げるのか?」
「公証役場での手続きが複雑そうで、自分でできるか心配だ」
 
このような時こそ、相続問題の専門家である弁護士にご相談ください。

5.1. なぜ相続専門の弁護士に相談すべきなのか?

5-1-1 法律の専門家による確実な作成

弁護士は民法や相続法のプロフェッショナルです。遺言書が法的に有効となるための厳格な要件(形式要件)を熟知しているため、わずかな不備で無効になるリスクを最大限に回避し、間違いなく法的に有効な遺言書を作成できます。
 

5-1-2 ご自身の真意を正確に法的な文面に落とし込む

漠然としたご自身の希望や、複雑な家族関係に合わせた細やかな配慮を、法的効力を持つ遺言書として明確な文章にすることは容易ではありません。弁護士は、あなたの想いや背景を丁寧にヒアリングし、法的に誤解なく伝わる表現で遺言書に落とし込みます。
 

5-1-3 紛争になりにくい「生きた遺言書」の作成

弁護士は、過去の相続争いの事例を熟知しており、将来起こりうる相続人間のトラブルを予測し、それを未然に防ぐための工夫を凝らした遺言書を作成できます。例えば、特定の相続人の「遺留分(いりゅうぶん)」を考慮した内容にするなど、専門的な視点からアドバイスを行い、トラブルの火種を潰します。
 

5-1-4 公正証書遺言作成の全面的サポート

公正証書遺言の作成においては、公証人との事前打ち合わせ、必要書類(戸籍謄本、住民票、印鑑証明書、不動産登記事項証明書、固定資産評価証明書など)の準備、証人の確保など、多くの手間と専門知識が求められます。弁護士はこれらの手続きを全面的にサポートし、ご要望に応じて証人にもなることができます。
 

5-1-5 相続全般の総合的なアドバイス

遺言書作成だけでなく、生前贈与、家族信託、さらには将来的な相続税対策など、生前対策全般について幅広くアドバイスが可能です。ご自身の状況に合わせた最適な「相続対策の全体像」を一緒に検討し、実行をサポートします。
 

5-1-6 遺言執行者としての選任も可能

作成した遺言書の内容を、遺言者の死亡後に確実に実現するための「遺言執行者」として、弁護士を指定することも可能です。これにより、相続人の方々が複雑な手続きで困惑することなく、スムーズに相続を完了させることができます。
遺言書は、あなたの最期の意思を形にし、大切なご家族に「争い」ではなく「笑顔」を遺すための、最も有効かつ強力な手段です。形式的な不備や内容の不確実性によって、せっかく作成した遺言書が無効になってしまったり、かえって争いの種になってしまったりすることは、何としても避けなければなりません。

当事務所では、相続問題に強い弁護士が、お客様一人ひとりの状況とご希望を丁寧に伺い、最適な遺言書作成のサポートをさせていただきます。複雑なケースやデリケートなご要望にも、親身になって対応いたします。
 

6. よくある質問(FAQ)

Q6.1. 遺書と遺言書は、どちらも手書きで書けば良いですか?

A6.1: 遺書はどのような形式でも構いませんが、遺言書は民法で定められた厳格な方式に従う必要があります。特に「自筆証書遺言」は全文を自書し、日付と氏名を記載し、押印することが必須です。形式に不備があると無効になるため、注意が必要です。公正証書遺言は公証人が作成するため、手書きの必要はありません。

Q6.2. 遺言書を作成するのに費用はどれくらいかかりますか?

A6.2: 自筆証書遺言であれば、紙と筆記用具代程度で作成できますが、法務局の保管制度を利用する場合は手数料(数千円程度)がかかります。
公正証書遺言の場合は、遺産の総額や相続人の数によって公証人の手数料が変わります。弁護士に作成サポートを依頼する場合は、別途弁護士費用が発生しますが、これは遺言書を確実に有効なものとし、将来のトラブルを未然に防ぐための必要経費と言えるでしょう。

Q6.3. 遺言書は一度作成したら変更できませんか?

A6.3: いいえ、遺言書はいつでも何度でも変更・撤回することが可能です。新しい遺言書を作成することで、古い遺言書の内容を撤回したり、変更したりできます。ただし、変更の際にも民法で定められた方式に従う必要があります。

Q6.4. 相続人がいないのですが、遺言書は必要ですか?

A6.4: はい、相続人がいない場合でも遺言書は非常に重要です。遺言書がない場合、あなたの財産は最終的に国庫に帰属してしまいます。お世話になった方や、特定の団体に寄付したいといったご希望がある場合は、遺言書を作成することでその意思を実現できます。

7. まとめ

「遺書」は、故人の想いを伝える個人的なメッセージであり、法的な効力はありません。
「遺言書」は、民法で定められた厳格な方式に従って作成され、法的な効力を持つ唯一の書面です。
遺言書には、自筆証書遺言と公正証書遺言という主な種類があり、それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況に合わせた選択が重要です。
遺言書を作成することで、故人の意思を確実に実現し、相続争いを未然に防ぎ、円満かつスムーズな相続に繋がります。
遺言書作成は、その形式と内容の確実性が非常に重要です。将来的な紛争を防ぎ、ご自身の想いを確実に実現するためにも、相続問題の専門家である弁護士にご相談いただくことを強くお勧めします。

ご自身の相続について、少しでも不安やお悩みがある方は、ぜひ一度、当事務所の無料相談をご利用ください。

執筆者プロフィール

新井教正(アライノリマサ)
累計1000件以上の相続相談に対応し、NHKの番組でも『遺産相続問題に詳しい弁護士』としてご紹介いただきました。相続に関する書籍も多数出版しています。難易度の高い相続案件も対応可能です。初回相談では、相談者の方のお話をじっくりお伺いし、相談者の方の立場に立って考え抜き、できるだけ簡単な言葉で分かりやすく説明することを心がけています。

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