個人の方が弁護士へ依頼するというのは、一生に一度あるかないかの一大事ですから、絶対に失敗したくない考えるのは当然のことです。
ただ、弁護士をどのような基準で選べばよいのか、よく分からないという方も多いと思いますので、以下、失敗しない弁護士選びのポイントをご紹介します。
弁護士選びの4つのポイント
目次
遺産相続に関する専門的知識を持っているか
弁護士であれば誰でも遺産相続に関する専門的知識を持っていると考えるのは大間違いです。
実際、相手方についた弁護士に対して、「こんなことも知らないのか!」と感じることは、それほど稀なことではありません。
問題は、遺産相続に関する専門的知識を持っているか否かをどのように判断するかですが、相談の際に、あなたからの質問や疑問に対して、弁護士が分かりやすく回答してくれたか否かで、ある程度は判断できます。分かりやすい説明というのは、専門的知識を持つだけでなく、きちんと理解までしていなければできないからです。
もう一つ、相続関連の書籍や記事を書いているか否かは、遺産相続に関する専門的知識を持っているか否かを見分ける一つの指標になります。当然のことですが、書籍や記事は、専門的な知識がなければ書くことができないためです。
遺産相続に関する紛争解決の実績はあるか
遺産相続紛争を真に依頼者にとってベストな形で解決するためには、専門的知識だけでは不十分で、実際に紛争を解決に導いてきた経験が必要です。
遺産相続紛争の解決実績が50件以上あれば、様々な紛争類型を複数回経験している可能性が高く、一つの目安になるのではないでしょうか。相談の際に、遠慮なくお尋ねになることをお勧めします。
ただ、注意いただきたいのは、解決実績はあくまでも、事務所単位ではなく弁護士個人単位で評価するという点です。
例えば、トータルで300件の解決実績があったとしても、10名の弁護士が所属する事務所であれば、単純計算ですが、弁護士一人で見れば、30件の解決実績しかないということになります。逆に2名の弁護士が所属する事務所の解決実績がトータルで100件であれば、弁護士一人で見ても、50件の解決実績があるということになり、経験という観点からは、後者の事務所へ依頼すべきということになります。
話をじっくりと聞いてくれたか
遺産相続について相談者の希望や想いを踏まえたベストな解決を勝ち取るためには、依頼者と弁護士との間の信頼関係が必要不可欠です。
信頼関係構築には、まずは相手の話をじっくりと聞くことからスタートするはずですが、相談者の話を聞こうとしない、頻繁に話の腰を折ってくるような弁護士とは、依頼後に信頼関係を構築することは困難です。
逆に相談者の話をじっくりと聞く弁護士であれば、依頼後も良好な信頼関係を構築することが期待できます。
気軽に何でも相談できそうと感じたか
依頼者と弁護士の間に上下関係はなく、遺産相続についてベストな解決を勝ち取るための、対等なパートナーの関係にあります。
真に対等なパートナーと呼べる関係を構築するためには、少なくとも、相談時の印象から、相談者の意見や希望、紛争処理の過程で抱いた疑問などを率直に伝え、あるいは、ぶつけることができそうと感じられることが極めて重要です。
逆に、いくら遺産相続に関する専門的知識や紛争解決の実績があっても、高圧的でとっつきにくいと感じられたのであれば、そのような弁護士に依頼しても、安心感・納得感を感じられる紛争解決を行うことは困難でしょう。