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相続人の範囲

相続人は、大きく「配偶者相続人」と「血族相続人」の2つに分かれます。
 

1.配偶者相続人

被相続人の夫又は妻で、常に相続人になります。
 
これに対し、内縁(=実質的には夫婦と同様の関係にあるが、婚姻届を提出していない場合)の配偶者には相続権は認められません。
 
内縁の配偶者に相続権がないとしても、死別により内縁関係が消滅したとして、離婚の際の財産分与の規定を類推適用して内縁配偶者を救済できないかが問題とされましたが、最高裁はこれを否定しています。

最判H12.3.10
内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合に、法律上の夫婦の離婚に伴う財産分与に関する民法七六八条の規定を類推適用することはできないと解するのが相当である。

民法は、法律上の夫婦の婚姻解消時における財産関係の清算及び婚姻解消後の扶養については、離婚による解消と当事者の一方の死亡による解消とを区別し、前者の場合には財産分与の方法を用意し、後者の場合には相続により財産を承継させることでこれを処理するものとしている。

このことにかんがみると、内縁の夫婦について、離別による内縁解消の場合に民法の財産分与の規定を類推適用することは、準婚的法律関係の保護に適するものとしてその合理性を承認し得るとしても、死亡による内縁解消のときに、相続の開始した遺産につき財産分与の法理による遺産清算の道を開くことは、相続による財産承継の構造の中に異質の契機を持ち込むもので、法の予定しないところである。

また、死亡した内縁配偶者の扶養義務が遺産の負担となってその相続人に承継されると解する余地もない。

したがって、生存内縁配偶者が死亡内縁配偶者の相続人に対して清算的要素及び扶養的要素を含む財産分与請求権を有するものと解することはできないといわざるを得ない。

2.血族相続人

被相続人の子、直系尊属及び兄弟姉妹ですが、このうちの誰が相続人となるかについては、以下の順位に従って決定されます。

ただし、以下に従い相続人となるべき者であっても、相続人となるべき者について相続欠格事由がある場合又は相続人の廃除がなされた場合、その者は相続権を失うこととなります。

第1順位 養子(※1)・胎児を含みます。

代襲相続・再代襲相続の場合の代襲者・再代襲者を含みます。

認知を受けていない婚外子(※2)は相続人たる「子」ではありません。

第2順位 直系尊属 養父母を含みます。

複数いる場合、親等の近い者が優先します。

第2順位 兄弟姉妹 父母の一方のみが同じである場合を含みます。

代襲相続の場合の代襲者を含みます。

※1 普通養子は、養親のほか、実親も相続することができます。
※2 被相続人の死亡時までに認知を受けていない場合でも、死後3年間は認知の訴えを提起することができ(民787条)、認められれば、相続人となります。

代襲相続

1.代襲相続の意味

代襲相続とは、相続が開始する以前(=被相続人が死亡する以前/同時に死亡した場合も含まれます。)に、相続人となるべき者①死亡、②相続欠格または③相続の廃除のいずれかの原因によりで相続権を失った場合に、その者の直系卑属が、その者に代わって同一順位の相続人となり、その者の受けるはずであった相続分を承継する制度を言います。
 
例えば、被相続人が死亡した時点で、被相続人の子がすでに死亡していた場合でも、その相続人に子供(被相続人から見れば孫)がいる場合には、その孫が被相続人の子が受けるはずであった相続分を承継することになります。この場合の子を「被代襲者」(=本来、相続人となるべきであった者)、孫を「代襲者」(=被代襲者の代わりに相続人となる者)といいます。
 
なお、代襲相続が認められているのは、子と兄弟姉妹だけであり、直系尊属については、代襲相続は認められていません。
 
また、相続放棄があっても代襲相続は生じません

2.代襲相続が認められるための条件(代襲資格)

1代襲者が被代襲者の直系卑属であること(民887条2項、889条2項)

2代襲者が被相続人の直系卑属であること(民887条2項但書き)

・したがいまして、養子の連れ子に代襲資格はありません

・被代襲者が兄弟姉妹の場合、当該条件は不要です

3代襲者が相続開始時(被相続人の死亡時)に生存していること

・代襲原因(相続人死亡、相続欠格、相続の廃除)の発生時点で存在している必要はありません

・相続開始時に胎児である者についても、代襲資格は認められます

4代襲者自身に、被相続人との関係で相続欠格事由がなく、かつ、被相続人から相続の廃除がなされていないこと

・代襲者が被代襲者との関係で相続欠格事由があるかどうか、被代襲者から相続の廃除がなされているかどうかは関係ありません。

再代襲相続

子については再代襲が認められており、例えば、被相続人が死亡した時点で、被相続人の子及びその子供(被相続人から見れば孫)が死亡していた場合でも、その孫に子供(被相続人から見ればひ孫)がいる場合には、そのひ孫が被相続人の孫が受けるはずであった相続分を承継することになります。この場合のひ孫を「再代襲者」といいます。
 
なお、再代襲においては、子の代襲原因が先か、孫の代襲原因が先かは関係ありません。
 

現行法上、兄弟姉妹については、再代襲は認められていませんが、昭和55年12月31日以前に開始された相続については、兄弟姉妹についても再代襲が認められますので、注意が必要です。

相続欠格

1 相続欠格とは

相続人となるべき者に該当する場合でも、相続人となるべき者に以下の事情(=相続欠格事由)がある場合には、当該相続人は、法律上当然に相続権を失うことになります(民891条)。

2 相続欠格事由

  • ① 被相続人、相続について先順位又は同順位にある者を、故意に死亡するに至らせ又は至 らせようとしたために、刑に処せられた場合。
  • ② 被相続人が殺害されたことを知っているにもかかわらず、これを告発又は告訴しなかった場合。ただし、殺害者が自分の配偶者(夫又は妻)又は直系血族(親・子・孫等)であった場合等は除かれる。
  • ③ 詐欺又は脅迫によって、被相続人が遺言をすること、遺言を撤回すること、遺言を取り消すこと、又は、遺言を変更することを妨げた場合
  • ④ 詐欺又は脅迫によって、被相続人に遺言をさせ、遺言を撤回させ、遺言を取り消させ、又は、遺言を変更させた場合
  • ⑤ 被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は、隠匿した場合

 
上記①から⑤の各非行によって、自己が相続上不当な利益を得る動機・目的を要するかについて争いがありましたが、最判H9.1.28は、⑤について、「・・・相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、・・・相続欠格者には当たらない」と判示して、これを必要としています。

3 その他

  • ・欠格事由が相続開始前に発生したときはその時点から、相続開始後に発生したときは相続開始時にさかのぼって効果が生じることになります。
  • ・相続欠格者に対する遺贈は無効となります(民965条、891条)。
  • ・欠格事由の存否に関する紛争は、終局的には民事訴訟(相続権又は相続分不存在確認訴訟)で解決することになります。
  • ・相続欠格については、すべての利害関係人がこれを主張することができます。

相続人の廃除

相続人の廃除とは、被相続人の意思により、相続人となるべき者(兄弟姉妹は含まれません)の相続権を奪うことであり、相続人の廃除がなされた場合、当該相続人は相続権を失うことになります。

1 廃除事由

相続人の廃除は、

  • ①当該相続人が被相続人に対して虐待をした場合
  • ②当該相続人が相続人に対して重大な侮辱を加えた場合
  • ③当該相続人に、その他の著しい非行があったとき

のいずれかに該当する場合にのみ可能です。
 

2 廃除の方法

相続人の廃除は、

  • ①被相続人が生前に家庭裁判所に対して相続人の廃除を請求する
  • ②遺言で廃除の意思表示をしておき、遺言執行者が家庭裁判所に対して相 続人の廃除を請求する

のいずれかの方法で行うことになります。
 
ただし、請求をしたからといって常に認められるわけではなく、家庭裁判所が廃除事由の有無を判断し た上で、廃除の審判がなされた場合に限り、その効力を生じることになります。

3 廃除の取消

被相続人はいつでも相続の廃除を取り消すことができ、その方法は相続の廃除の場合と同様です。

割合的包括受遺者

  • ・割合的包括受遺者とは、割合的包括遺贈を受けた者のことです。
  • ・割合的包括遺贈とは、例えば、「○○に遺産の○分の1を遺贈する」というように、全遺産に対する割合のみを指定している遺贈のことです。
  • ・共同相続人以外の包括受遺者については、相続人と同一の権利義務を有するとされ(民990条)、相続人ではないものの、遺産分割の協議・調停・審判に加える必要があります。
  • ・これに対し、共同相続人に対する割合的包括遺贈は、相続分の指定と同一の機能を持つにすぎません。
  • ・包括受遺者が被相続人の死亡以前に死亡した場合(同時の場合も含む)、遺贈は無効となり、代襲は生じません。
  • ・割合的包括遺贈の承認・放棄は、相続に準じ、遺贈の承認・放棄に関する規定(986条~989条)は適用されないと解するのが通説です。
  • ・他の相続人が相続放棄した場合、包括受遺者は相続人そのものではないため、遺贈される相続分の割合は影響を受けません。
  • ・全部包括遺贈がなされた場合、遺留分の問題が残るのみで、遺産分割の問題にはなりません(相続開始と同時に遺産性を喪失するため)。
  • ・「遺言者の財産全部についての包括遺贈に対して遺留分権利者が減殺請求権を行使した場合に遺留分権利者に帰属する権利は、遺産分割の対象となる相続財産としての性質を有しないと解するのが相当であ る。・・・遺言者の財産全部についての包括遺贈は、遺贈の対象となる財産を個々的に掲記する代わりにこ れを包括的に表示する実質を有するもので、その限りで特定遺贈とその性質を異にするものではないからである。」(最判H8.1.26)

 

この記事の執筆者

弁護士新井教正(アライノリマサ)

代表弁護士の新井教正(あらいのりまさ)と申します。
リーガルサービスの提供を通じてお客様を笑顔にしたいとの思いから事務所名を「エミナス法律事務所」(笑みを為す)としました。
お客様を笑顔にするためには、出来るかぎりご希望に沿ったベストな解決を図る必要があります。
ご希望に沿ったベストな解決を図るためには、お客様のお話をじっくりと丁寧にお聞きすることが何より大切です。
そのため、当事務所では、十分なお時間を取り、まずは、お客様が抱いておられるご不安や紛争の解決方法に関するご希望を正確に理解するよう努めています。
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