73年もの長きに渡り放置されてきた不動産に関する相続問題を、自分の子の代にまで持ち越したくはなく、何としても自分の代で解決したいと考えているものの、他に相続人がどれだけいるかも不明であり、面識もないため、自ら処理するのは困難であるとして、相続人の特定と遺産分割交渉を依頼いただきました。
73年間放置されてきた不動産に関する相続問題を解決した事案
- 性別:男性
- 依頼者情報:●争点別:遺産分割 ●遺産額:3000万円以下 ●遺産の種類:不動産 ●相続人の関係:親戚
依頼者は相続不動産を売却処分することを希望していました。ただ、相続不動産には賃借人が居住していたため、スムーズな売却のためには立退交渉を行う必要がありました。また、経緯は不明であるものの、相続不動産上には他人名義の建物も存在していたため、売却のためには、当該他人(死亡している場合はその相続人)と交渉を行う必要もありました。
そのため、売却には多大な時間、労力及び費用がかかることが予想されましたが、これら一連の処理を相続人全員で協議しながら進めていくとなれば、さらなる時間と労力がかかり、また、費用負担の問題も生じるため、依頼者としては、費用負担も含め、これら一連の処理をすべて依頼者が責任を持って処理する代わりに、相続不動産については依頼者が単独で取得されることを希望していました。
このような依頼者の希望を実現するべく交渉に着手しましたが、交渉相手となる相続人が22名にも及ぶため、第1段階として、まずは上記の事情を詳細に記載した上で理解を求める文書を送付し、同意いただけるかどうかの意向確認を行い、第2段階として、「同意する」との回答をいただけた相続人に対して正式な書面を送付し、署名・押印の上で印鑑証明書とともに返送いただく方針で進めることにしました。
最初から正式書面への署名・押印と印鑑証明書の返送を求める文書を送付した方が効率的ではありますが、ある日突然、弁護士から文書が届くだけでも、一般の方は驚き、困惑し、警戒されるのではないでしょうか。このような状態にある方が、いきなり法的な効力が生じる文書に署名し、実印で押印の上で、印鑑証明書を添えて返送してほしい、などという要望に応えていただけるとは到底思えません。わずかな労力や時間を惜しまず、相手方に対しても最大限の配慮を行うことが、むしろ早期解決につながると判断し、2段階方式を選択しました。
最終的に22名全員から「同意する」旨の回答をいただけたため、第2段階へ移行したのですが、内1名からは返送がありませんでした。第1段階の意向確認の際に電話番号を教えていただいていたため、何度か連絡したのですが、「体調が思わしくない。」「コロナで外出を控えている。」などの理由で印鑑証明書を取得できていないとのことでした。4ヶ月程お待ちしたのですが返送はなされず、そのうち電話にも出られない状態になってしまいました。
やむを得ず、調停の申立ても検討しましたが、依頼者に余分な時間と費用がかかってしまうため、調停を申し立てる前の最後の試みとして、九州にあるこの相続人のご自宅を訪問し、印鑑証明書の取得を直談判してみることにしました。
必要書類を返送いただけていなかった相続人の方は女性の方であったため、私だけではなく女性の事務職員も同行しました。訪問前に何度か電話連絡を行ったものの未応答であったため、アポなしの訪問となりました。
訪問してみると、幸運にも在宅されており、訪問の目的を伝えると、「わざわざ大阪から来ていたただいて」と大変恐縮いただき、「対応しなければと思いつつも、体調不良やコロナで外出ができなくて・・・」とのことでした。
好感触であったため、役所まで付き添うので印鑑証明書を取得いただきたい旨をお伝えしたところ、了承いただき、無事に必要書類と印鑑証明書を取得することができました。
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- 性別:男性
- 依頼者情報:●争点別:遺産分割 ●遺産額:3000万円以下 ●遺産の種類:預貯金 ●相続人の関係:妻と甥姪
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- 性別:女性
- 依頼者情報:●争点別: 遺産分割 ●遺産額:3000万円以下 ●遺産の種類:不動産 ●相続人の関係:兄弟姉妹と甥姪
73年間放置されてきた不動産に関する相続問題を解決した事案
- 性別:男性
- 依頼者情報:●争点別:遺産分割 ●遺産額:3000万円以下 ●遺産の種類:不動産 ●相続人の関係:親戚