少しずつ内容の異なる自筆証書遺言が3通作成されており、その解釈を巡って姉(依頼者)と弟(相手方)との間で争いが生じていました。弟側の弁護士からは、3通の遺言を総合的に解釈すれば姉には遺留分しか認められないとの主張がなされていました。
複数の遺言の解釈についてより有利な内容で解決できた事例

- 性別:女性
- 依頼者情報:●争点別:遺言 ●遺産額:3000万円以上 ●遺産の種類:預貯金 ●相続人の関係:実の姉弟
事案の内容
結果
事件処理のポイント
3000万円以上実の兄弟遺言・生前対策預金・金融資産
当事務所の活動内容
3通の遺言を総合的にどのように解釈するのが最も遺言者の意思に合致するかを検討した結果、より依頼者に有利な解釈が可能であり、かつ、こちらの解釈の方が正しいと判断できたため、弟側の弁護士に結論とその根拠を指摘しました。
交渉を重ねた結果、概ね当職から示した遺言の解釈に沿った内容の遺産分割協議を成立させることで解決できました。
複数の遺言が存在する場合の遺言の解釈については、弁護士でも判断に迷うことが多々あります。解釈の仕方次第で、有利にも不利にもなり得ることから、複数の遺言が存在する場合には、弁護士へ相談することをお勧めします。
また、遺言作成の目的の一つが、相続をめぐる紛争を防止する点にあるにもかかわらず、作成した遺言の解釈をめぐって紛争が起こってしまっては元も子もありません。そのため、前に作成した遺言の全部又は一部を修正する内容の新しい遺言を作成する場合には、前の遺言を撤回する旨を記載した上で、前と変わっていない部分も含めて、すべてを書き直す形で作成してください。
その他の解決事例
3000万円以上争点別実家(土地と家)相続人との関係相続財産の種類親戚遺産分割遺産額預金・金融資産
遺産を分配しようとせず、途中から連絡を無視するようになった相続人との紛争を約3か月で解決した事案

- 性別:女性
- 依頼者情報:●争点別:遺産分割 ● 遺産額:3000万円以上 ●遺産の種類:不動産、預貯金 ●相続人の関係:叔父・姪
相続人は叔父と姪(被相続人から見れば、兄弟と兄弟の代襲相続人である姪/姪が依頼者)です。
相続開始後まもなく、被相続人の面倒を見てくれ、信頼もしていた叔父から、後日に分配するからとして、預貯金解約のための手続書類への署名・押印と印鑑証明書の提出を求められ、依頼者はこれに応じました。
ところが、相続開始から1年を過ぎても、叔父から何の連絡もなかったため、依頼者から叔父へ連絡し、預貯金の解約金額の開示と分配を求めました。求めた分配内容は、叔父が被相続人の面倒を見てくれていたことへの感謝の意を込め、預貯金のみを対象(不動産は叔父が単独で取得することを了承)とし、取得割合も法定相続分の半分とするという、謙抑的な内容でした。
上記提案を叔父も了承したため、依頼者は、これでようやく手続きが進むと安堵したのですが、叔父からは一向に預貯金の解約金額の開示がなされず、挙句の果てには100万円だけ渡され、これで納得するようにとの話がありました。
預貯金の解約金額も開示されない状況で、依頼者としては到底納得できるはずもなく、その後も開示を求めましたが、最終的には連絡が取れない状況になったため、当職への依頼となりました。
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3000万円以上実の兄弟実家(土地と家)遺留分を請求したい
不動産の売却方法を工夫することにより取得分が当初見込みより3000万円以上増加した事例

- 性別:女性
- 依頼者情報:●争点別:遺留分 ●遺産額:3000万円以上 ●遺産の種類:不動産 ●相続人の関係:兄弟姉妹
相続人は子4名(一男三女)で、被相続人である母親が、長女へすべての遺産を相続させる旨の遺言を作成していたため、三女(依頼者)から、遺留分請求の依頼を受けました。
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3000万円以上親戚遺産分割預金・金融資産
相続人が29名にも及んだ遺産分割の事例

- 性別:男性
- 依頼者情報:●争点別:遺産分割 ●遺産額:3000万円以上 ●遺産の種類:預貯金 ●相続人の関係:被相続人の兄弟姉妹と被相続人の配偶者の兄弟姉妹
相続の処理を長期間にわたって放置しているうちに相続人が29名にも及ぶ事態となり、相続人相互の関係性が希薄、あるいは、面識すらないという状態のため、遺産分割協議自体を進めることが困難という事案でした。
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3000万円以上親戚遺産の使い込み預金・金融資産
死亡前の4ヶ月間に9000万円の預貯金が出金されていた事例

- 性別:男性
- 依頼者情報:●争点別:預金の使い込み ●遺産額:3000万円以上 ●遺産の種類:預貯金 ●相続人の関係:被相続人の子と被相続人の姉
父親が死亡したため預貯金を調査したところ、以前に聞いていた父親の財産状況からすればあまりにも残っている金額が少なすぎるので調査してほしい、とのことで相談に来られました。
母親はすでに死亡していたため、相続人は依頼者と弟の2人でしたが、弟とは音信不通のため、依頼者のみからの依頼となりました。
依頼者の話によれば、死亡前数ヶ月間、父親は叔母(父親の姉)の自宅近くの病院に入院していたとのことでした。
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3000万円以上争点別実の兄弟実家(土地と家)特別受益・寄与分相続人との関係相続財産の種類遺産額
被相続人の生活費を負担してきたことについて770万円の寄与分を認めさせた事例

- 性別:男性
- 依頼者情報:●争点別:寄与分 ● 遺産額:3000万円以上 ●遺産の種類:不動産 ●相続人の関係:兄弟姉妹
被相続人は母親で、相続人は子2名(長男・長女)です。父親の相続の際、長男が母親の生活費を負担するとの約束の下、長女は遺産を全く取得しませんでしたが、実際には、長男は母親の生活費を負担しなかったため、長女が負担(総額770万円)してきました。長女としては、法定相続分での相続では到底納得できないとして、長男との遺産分割交渉を依頼いただくことになりました。
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