2ヶ月後に兄(相手方)が海外へ転居予定とのことで、双方とも早期の遺産分割を希望していましたが、
①弟(依頼者)が取得を希望している自宅不動産の評価額、
②双方とも売却を希望している収益不動産の売却時期、
の2点について意見の対立が生じていました。
早期解決を強く希望される遺産分割を1ヶ月半で解決した事例
- 性別:男性
- 依頼者情報:●争点別:遺産分割 ●遺産額:3000万円以上 ●遺産の種類:収益不動産、実家、預貯金、上場株式 ●相続人の関係:実の兄弟
依頼者はもちろん、相手方である兄からもじっくりと話を聞き、①②の対立点に対する双方の意見の背後にある事情等の理解に努めた上で、双方が歩み寄れる落としどころを探りました。
対立点①については、依頼者が今後も居住を継続する予定であるため、遺産分割の際の計算上は固定資産評価額で評価し、将来において依頼者が自宅を売却した際には、固定資産評価額と売却金額の差額の2分の1相当額を相手方へ渡す内容で合意しました。
対立点②については、相手方が経済情勢から即時の売却には反対とのことであったため、長めの売却期限を設定した上で共有取得することで合意しました。
兄が当該期限を遵守するメリットを生じさせるため、期限内に売却できた場合には兄の取得額が多くなるような条項も規定しました。
遺産分割では、不動産の評価は時価によることになりますが、この点を巡って対立し、紛争が長期化することがまま見受けられます。
本件では、相手方が2ヶ月後には海外へ転居する予定で、依頼者としては、それまでに遺産分割を完了させたいとの強い希望がありました。
そのため、自宅不動産の時価を巡って延々と争うこともできず、自宅不動産については、当方から上記①の提案を行い、相手方の理解を得ることができました。
収益不動産については、相手方の意向を汲み、長めの売却期限を設定することとしましたが、売却期限を決めても、兄の協力がなければ売却はできず、裁判で強制することもできません。合意を遵守させる方法としては、違反に対してペナルティを課すというのも考えられますが、このような内容で兄が納得するとは思えなかったことから、依頼者の理解を得た上で、ペナルティではなく兄にメリットを生じさせる仕組みを導入することにより、兄が合意を遵守する可能性を高める工夫をしました。
何らかの事情で一定の期限までに合意を成立させる必要性ないし強い希望がある場合、このような事情を抱えている側の相続人(本件の場合は依頼者)には、一定程度譲歩いただくことも必要になります。
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- 性別:男性
- 依頼者情報:●争点別:遺産分割 ●遺産額:3000万円以上 ●遺産の種類:預貯金、不動産 ●相続人の関係:伯父と姪
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- 性別:女性
- 依頼者情報:●争点別:寄与分 ●遺産額:3000万円以上 ●遺産の種類:不動産、預貯金 ●相続人の関係:兄弟姉妹
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- 依頼者情報:●争点別:預金の使い込み ●遺産額:3000万円以上 ●遺産の種類:預貯金 ●相続人の関係:後妻と子2人(長女、二女)
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- 性別:女性
- 依頼者情報:●争点別:遺産分割 ● 遺産額:3000万円以上 ●遺産の種類:不動産、預貯金 ●相続人の関係:叔父・姪
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- 依頼者情報:●争点別:その他 ●遺産額:3000万円以上 ●遺産の種類:預貯金 ●相続人の関係:姉弟